立ち技世界最強と言われている格闘技の一種であり、発祥の地タイでは国技に指定されています。タイでは一般的な格闘技で子供が習う光景もかなり多く見られます。

国技であると同時に試合では賭けが行われる為、八百長には非常に厳しくもし発覚すればタイの国法に罰せられます。試合前にはワイクルーと呼ばれる踊りを行い、自分の両親と師に感謝を捧げ神に勝利を祈願する意味も含まれています。笛や太鼓、鉦の演奏で民族音楽が試合中もずっと会場を独特の雰囲気で包み込むのもムエタイの魅力です。

立ち技世界最強と称される格闘技ムエタイではありますが、K1やボクシングのような打ち合いというよりかは高度な技術合戦や読み合いを味わう格闘技です。

ムエタイは5ラウンドで初めの1、2ラウンドは様子見に徹します。これは賭けが並行して行われるムエタイ独特の流れで賭けをする観客が、選手の動きや様子を見てから判断し、どちらに賭けるか決めるという意味合いもあります。

以降のラウンドでも延々と首相撲のハイレベルな攻防ではあるものの若干いぶし銀な攻防が繰り返される試合がほとんどであるから、派手なKOヒットを期待する人には少し物足りなさを感じる事があります。

しかし先ほど言った通り、首相撲の攻防は高度な技術的駆け引きが行われており、レベルが高くなればなるほど、お互いにまともに攻撃を食らうことはありません。

更にタイ人は小柄である事が多い為、格闘技重量級などで見られるようなKOはほとんど見られず、判定まで続く事がほとんどです。

そんな判定試合がほとんどではありますが、それでも会場で異常に熱気があるのは、試合の興行が賭けによって成り立ち、首相撲が、実は高い技術のぶつかり合いという事を皆の周知の事実だからなのです。